診療マル秘裏話    号外Vol.1218 平成30年7月3日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★












目次
 
1)皮膚から出る酸化状態を示す極微弱な光の画像
2)アトピー性皮膚炎の注射で投与する新薬が発売















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 




 
 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 皮膚から出る酸化状態を示す極微弱な光の画像











 
 資生堂は、紫外線による皮膚
の酸化状態を可視化する技術を
開発しました。東北工業大学と
の共同研究です。皮膚から出る
酸化状態を示す極微弱な光「バ
イオフォトン」を画像にする事
で実現しました。 切開などで
皮膚を傷つけることなく生体か
ら直接、酸化状態を評価できま
す。新技術により日焼け止めの
効果が初めて視覚的に伝えられ
るようになります。紫外線対策
製品の機能評価にも活用できる
とみており、製品の機能向上に
も期待がかかります。

 皮膚の酸化状態を評価するた
めには従来、テープストリッピ
ング法で採取した角層や培養し
た細胞などが用いられてきまし
た。しかし、テープストリッピ
ングによる刺激や注入する試薬
が酸化に影響を与える可能性が
あったほか、採取した部位のみ
と評価対象が限られていました。

 そこで皮膚が発する酸化状態
を示すバイオフォトンに注目し
ました。極微弱な光をとらえる
ため、暗室に設置した暗箱に高
感度・高解像度の冷却CCD(
電子結合素子)カメラやレンズ
等を組み込んだ評価装置を東北
工大が開発しました。資生堂の
皮膚科学の知見を合わせ、実際
の評価に落とし込みました。

 開発した装置ではヒトの腕や
手のほか、皮膚組織などのサン
プルが評価できます。ヒトであ
れば腕や手に紫外線を照射して
測定を開始します。皮膚から出
てきたバイオフォトンがレンズ
を通してカメラに集まるところ
を撮影し、画像を処理・解析し
ます。バイオフォトンは極微弱
な光のため一瞬ではとらえられ
ず、同じ状態の画像を集積し可
視化します。短時間かつ高感度
でとらえるのが難しいのですが、
今回は、被験者による5分間の
静止で実現しています。

 紫外線によってバイオフォト
ンが増加し皮膚が酸化されてい
る様子や、酸化度合いの強弱を
確認しました。 日焼け止めの
使用で酸化が抑制されること等
も視覚で確かめました。

 紫外線による皮膚の酸化状態
を生体できれいに見られるよう
になったことで、酸化が起きた
時・場所や皮膚全体での評価も
可能となります。今後は装置の
測定時間短縮や精度向上に取り
組み、紫外線が、皮膚に与える
影響と日焼け止めの効果に関す
る消費者への啓蒙活動、製品の
機能評価・改良に活用していく
ということです。

紫外線の皮膚に対する影響につ

いての動画です。

 

 

 

 



 工場で製品の精度向上に乗り
出す。笑














◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆














2】 アトピー性皮膚炎の注射で投与する新薬が発売











 
 かゆみを伴う皮膚の炎症が続
く「アトピー性皮膚炎」。塗り
薬による治療が一般的ですが、
今春、注射で投与する新しい薬
が発売されました。これまでの
治療法とは効果を発揮する仕組
みが異なり、治療がうまくいっ
ていない人にとっては、新しい
選択肢になりそうです。

 アトピー性皮膚炎は、体内に
入ったアレルギー原因物質が体
の免疫を過剰に反応させること
で引き起こされます。免疫に関
わる細胞の一つ「Th2細胞」
がアトピー性皮膚炎を誘発する
情報伝達物質を分泌させて炎症
やかゆみを引き起こします。

 フランスの大手製薬会社サノ
フィが製造販売する新薬「デュ
ピクセント」(一般名デュピル
マブ)は皮膚細胞への情報伝達
を遮断する仕組みで効果を発揮
します。

 アトピー性皮膚炎は塗り薬に
よる治療が一般的ですが、新薬
は効果の表れにくい人たち向け
の使用が想定されています。塗
り薬と併用しながら2週間に1
回、皮下注射で投与します。

 東京都足立区の男性(43)は、
塗り薬による治療があまり効い
ていなかったため、2015年7月
から約2年半この薬の臨床試験
(治験)に参加し、投与を受け
ました。

 治験は薬の効果と安全性を調
べるために行い、本物の薬と偽
薬をそれぞれ投与するグループ
に分けて実施されています。男
性は本物の薬を投与されました。

 効果は開始から2週間後には
表れ始め、1カ月後には、かな
りの症状改善が見られたという
ことです。男性は「背中やおな
かの赤いところの面積が目に見
えて小さくなりました。それに
伴ってかゆみも減ってきた」と
振り返っています。今は投与し
ておらず、化粧水や保湿クリー
ムの使用にとどまりますが、肌
はよい状態を維持できていると
いうことです。

 治験の代表的な結果を紹介す
ると、16週間投与後に症状が消
失またはほぼ消失した人は偽薬
グループ(224人)の10.3%
に対し、本物の薬の投与を受け
たグループ(同)は37.9%でし
た。また、症状が75%以上改善
した人の割合も、偽薬グループ
が14.7%、本物の薬のグループ
が51.3%。いずれも差がつき、
効果が確かめられました。

 一方、副作用は注射部位の痛
みや、頭痛、結膜炎などが一部
の患者さんで見られましたが、
重いものはほとんどありません
でした。

 足立区の男性を含む患者さん
3人に投与した日本医大(東京
都文京区)の佐伯秀久教授(皮
膚科)は「かなり早く、強く効
くのが、この薬の特徴だと言え
ると思う」と話しました。


 アトピー性皮膚炎に対する科
学的根拠のある標準治療は、塗
り薬による治療です。塗り薬に
は、強さが5段階あるステロイ
ド外用薬と、薬の効く仕組みの
異なるプロトピック軟膏(なん
こう)(一般名タクロリムス)
があります。これらを重症度や
部位によって使い分けます。治
りにくい場合は、免疫抑制剤の
シクロスポリンの投与や紫外線
療法などが実施されることもあ
ります。

 塗り薬による治療で効果が表
れない人に新薬のデュピクセン
トが期待されますが課題は価格
です。

 デュピクセントはバイオテク
ノロジーを使って開発された「
生物学的製剤」です。化学合成
反応を利用して作った従来の薬
と区別してこのように呼ばれま
す。生物学的製剤は従来品より
も研究開発費がかかる傾向があ
り、薬の価格も高くなります。
高額な薬としても知られるよう
になったがん治療薬「オプジー
ボ」(一般名ニボルマブ)も生
物学的製剤の一種です。

 デュピクセントも患者さんの
費用負担は小さくありません。
薬の価格は1回分で約8万円で
す。公的医療保険の適用対象と
なっているため、1回分の自己
負担は一般的な3割負担の人で
約2万4000円ですが、2週間に
1回、1年間投与を続けると60
万円程度になります。

 日本医大の佐伯教授は「塗り
薬による治療で、多くの患者は
症状をコントロールできる。デ
ュピクセントは優れた薬だが安
くはないので、医師も適用患者
を見極めて処方すべきだろう」
と話しています。


 アトピー性皮膚炎の症状悪化
を防ぐには、保湿クリームなど
で肌をよい状態に保つセルフケ
アも重要です。特にこれから暑
くなる時期に注意したいのが、
汗です。

 アトピー性皮膚炎の標準治療
についてまとめている日本皮膚
科学会の「診療ガイドライン20
16年版」は、汗をかいた後には、
かゆくなることがあるため放置
せず洗い流すなどの対策を推奨
しています。ただ、汗をかく事
には皮膚の温度調節や感染防御、
保湿の役割があります。ガイド
ラインは「発汗が症状を悪化さ
せるという科学的な根拠はない」
としています。

 自身もアトピー性皮膚炎の経
験がある多摩ガーデンクリニッ
ク(東京都多摩市)の武藤美香
院長は「シャワーや入浴が難し
い時は、ぬれたタオルで押さえ
るように拭くのがよい」と勧め
ています。

従来のアトピー性皮膚炎の治療

について解説している動画です。

 

 

 

 

 



 風水で大きな水晶を推奨する。
















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆












編集後記





 紫外線による皮膚の酸化状態
を可視化する技術を開発したの
は偉大な業績です。皮膚の酸化
状態を評価するためには、従来、
テープストリッピング法で採取
した角層や培養した細胞などが
用いられてきましたが、テープ
ストリッピングによる刺激や、
注入する試薬が酸化に影響を与
える可能性があったほか、採取
した部位のみと評価対象が限ら
れているという欠点があるので
紫外線によってバイオフォトン
が増加し皮膚が酸化されている
様子や酸化度合いの強弱を確認
することができて、日焼け止め
の使用で酸化が抑制されること
等も視覚で確かめられる、この
可視化の方法が優れているのは、
一目瞭然と言えましょう。
 今春、アトピー性皮膚炎に、
注射で投与する新しい薬が発売
されたのは、喜ばしいことです。
しかしながら、生物製剤である
ために、投与可能な施設要件と
いうのがあるそうで、我々開業
医にとっては、すぐに投与とい
うのは難しいかもしれません。
ただ、明らかな重大な副作用は
確認されていないのでリウマチ
の生物学的製剤の様に、昔は、
専門の先生のみが投与していた
お薬でも現在では開業医が投与
できる薬という物が存在してい
るので、将来的に開業医が使え
るようにして欲しいと思います。
リウマチの生物学的製剤の場合
は、今なお薬の値段が高く投与
するには高額医療の申請が必要
になります。この薬もリウマチ
の薬に負けず劣らず高額ですの
で、もう少し安くならないかと
切に願う次第です。
 
 私大に合格し次第、お祝いの
会を開催する。笑















************************

このメールマガジンは以下の配信システムを利用して
発行しています。
  解除の手続きは下記ページよりお願い致します。
「まぐまぐ」http://www.mag2.com/m/0000121810.html 
(イジニイワト)

発行者名  医療法人永徳会 皿沼クリニック院長 
藤田 亨
職業    医師の箸くれ(はしくれ)
運営サイト http://www.eitokukaisalanuma.or.jp/
ご意見・ご感想・励ましのお便りお待ちしております。
sara2162@atlas.plala.or.jp
このマガジンの掲載記事を無断で転載・使用すること
を禁じます。