診療マル秘裏話  号外Vol.1381 平成31年1月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)最も強力な歯周病原細菌の感染でIL-31が産生
2)認知症初期簡易検査研究の協力を行う事を発表














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








  
1】 最も強力な歯周病原細菌の感染でIL-31が産生











 東北大学は、12月17日、最も
強力な歯周病原細菌「Porphyro
monas gingivalis」に感染する
と、歯ぐきのマスト細胞からイ
ンターロイキン(IL)-31 が産
生されることを発見したと発表
しました。この研究は、同大大
学院歯学研究科口腔分子制御学
分野の多田浩之講師と口腔診断
学分野の西岡貴志助教の研究グ
ループによるものです。 研究
成果は「Cellular Microbiolog
y」に掲載されています。

Porphyromonas gingivalis(ポ
ルフィロモナス・ジンジバリス)
は、歯周病の進行に大きく関わ
る最も強力な歯周病原細菌です。
歯周病が進行すると歯の周りを
構成する歯周組織が破壊され、
歯の喪失に至ります。この歯周
組織の破壊をもたらすのは、歯
周病原細菌により引き起こされ
る慢性炎症であり、P.gingival
isは歯周炎の慢性化に深く関わ
ることが示唆されています。

マスト細胞は、粘膜や、皮膚に
存在する免疫細胞の一種であり、
粘膜での感染の防御に役立って
いますが、一方で関節リウマチ
など慢性炎症を特徴とする病気
を悪化させることが知られてい
ます。歯周病に罹患すると炎症
を起こしている歯周組織にマス
ト細胞が集積することは示され
ていましたが、マスト細胞が歯
周病の進行にどのように関わっ
ているかは、これまで明らかに
されてませんでした。研究グル
ープは、P.gingivalisによる歯
周炎マウスモデルを用いた実験
を行い、口腔にP.gingivalisを
感染させると歯肉のIL-31 mRNA
発現が著明に亢進する事を発見
しました。マスト細胞欠損マウ
スではP.ingivalis 感染による
歯肉のIL-31 mRNA発現に変化は
みられなかったことから、P.gi
ngivalisによる,歯肉のIL-31発
現上昇にはマスト細胞が関わる
可能性が示唆されました。

次に、P.gingivalisの感染によ
りマスト細胞からIL-31 が産生
されるメカニズムについて、ヒ
トマスト細胞株にP.gingivalis
W83 株を感染させて検討した所、
著明に,IL-31が産生されること
を発見しました。P.gingivalis
はシステインプロテアーゼのジ
ンジパインを産生することで、
宿主細胞に多様な病原性を示す
ことが明らかにされていること
から、P.gingivalisによるマス
ト細胞のIL-31 産生誘導がジン
ジパインにより担われる可能性
を検討しました。ジンジパイン
を欠損するP.gingivalisを用い
て検討した所、マスト細胞のIL
-31 産生が完全に消失したこと
から、P.gingivalisが産生する
ジンジパインがマスト細胞のIL
-31 産生を誘導することが明ら
かになりました。

口腔の粘膜は、上皮細胞による
角質層とタイトジャンクション
の2つのバリアによって病原微
生物の侵入を阻止しており、ク
ローディン-1は歯肉におけるタ
イトジャンクションを構成する
重要な役割を担っています。研
究グループは、P.gingivalisの
感染によりマスト細胞から産生
されたIL-31 は、歯肉上皮細胞
のクローディン-1発現を抑制さ
せることも見出したということ
です。

歯肉粘膜バリアの破綻は、歯周
炎の慢性化に関わる可能性が、
想定されます。研究グループは、
「歯周病における慢性炎症は歯
の喪失の原因となることから、
慢性炎症のコントロールを目的
とした予防・治療法の開発が期
待される」と述べています。

歯周病の治療トメンテナンスに

ついて解説している動画です。

 

 

 

 

 



 クローディン-1発現について
の発言。笑












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2】 認知症初期簡易検査研究の協力を行う事を発表














 ワコムは11月29日、学校法人
新潟総合学園新潟医療福祉大学
とコクヨと共に製品を用いた、
認知症初期の簡易検査研究の協
力を行うことを発表しました。
アナログ時計の文字盤を描き、
指定された時刻の針を描く「時
計描画試験/CDT((Clock Drawin
g Test )」です。記憶力や判断
力の測定などに用いられるテス
トは、高齢者ドライバーの認知
機能検査などにも利用されてい
ますが、この時計描画をデジタ
ル化することでより多くの情報
が取得できるようになります。
ワコムは、同社も技術協力を行
うコクヨの「電子下敷」ととも
に児玉直樹教授の認知症初期の
簡易検査研究で協力します。
通常の時計描画試験では、どの
程度正確に記述できるかを書き
終わった時計の結果を判断材料
としますが、手書きを瞬時にデ
ジタル変換できる入力支援ツー
ル「電子下敷」を用いることで、
筆圧、方向、速度などペンの動
きでその経過もデータ化できる
ため、これらの情報を用いるこ
とでより精密な検査に貢献でき
る可能性があります。コクヨが
展開する手書き入力支援ツール
は、盤面がセンサーであるボー
ド(下敷き)と専用ペンと紙帳票
で筆跡座標データを捕捉、アプ
リやクラウドを通じて即時にデ
ジタル化できます。紙での記入
というこれまでの流れで検査が
可能な一方、検査者が筆記のデ
ータを得ることができるように
なります。

スマホアプリの認知症検査につ

いての動画です。

 

 

 

 



 入力支援ツールを試演する。















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編集後記




 東北大学は、12月17日、最も
強力な歯周病原細菌「Porphyro
monas gingivalis」に感染する
と、歯ぐきのマスト細胞からイ
ンターロイキン(IL)-31 が産
生されることを発見したと発表
したのは、画期的な業績です。
Porphyromonas gingivalis(ポ
ルフィロモナス・ジンジバリス)
は、歯周病の進行に大きく関わ
る最も強力な歯周病原細菌であ
り、歯周病が進行すると歯の周
りを構成する歯周組織が破壊さ
れ、歯の喪失に至るというのは、
本当に怖いですね。 この歯周
組織の破壊をもたらすのは、歯
周病原細菌により引き起こされ
る慢性炎症であり、P.gingival
isは歯周炎の慢性化に深く関わ
ることが示唆されているという
ことですからこの菌の原因物質
であるジンジパインをターゲッ
トにした研究がなされるべきだ
と考えています。
 認知症初期の簡易検査研究の
協力を行うことを発表したのは、
画期的企画です。私の診療所で
も認知症については時計の文字
盤を書いてもらって判断してい
ます。通常の時計描画試験では、
どの程度正確に記述できるかを
書き終わった時計の結果を判断
材料としますが、手書きを瞬時
にデジタル変換できる入力支援
ツール「電子下敷」を用いる事
で、筆圧、方向、速度などペン
の動きでその経過もデータ化で
きるため、これらの情報を用い
ることでより精密な検査に貢献
できる可能性があるとは、何と
素晴らしいツールを導入したの
かと感心してしまいました。紙
での記入というこれまでの流れ
で検査が可能な一方、検査者が
筆記のデータを得ることが瞬時
にできるようになるのは本当に
驚き桃の木山椒の木です。

 後見人が、社会および個人に
貢献することは、少ない。 笑











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