診療マル秘裏話  号外Vol.1762 令和2年3月29日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)食事に悩んでいるがん経験者は全国に数十万人
2)抗凝固薬内服中に脳梗塞発症した人は易再発性















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 食事に悩んでいるがん経験者は全国に数十万人











 がん治療の影響で口を大きく
開けられず、食事がしにくい。
そんな悩みをもつ人たち向けの
カトラリー(スプーンやフォー
ク)を関西電力の社内ベンチャ
ーが作りました。自らのがん体
験をもとに商品化につなげまし
た。

 開発したのは柴田敦巨(あつ
こ)さん(45)。関西電力病院
の看護師として働いていた2014
年に耳下腺(じかせん)がんを
患い、3度の手術を経験しまし
た。治療で顔面の神経の一部を
取り除いたため、口を広げたり、
かんだりすることが少し難しく
なりました。通常のフォークや
スプーンだと食べ物をこぼし、
口の中を傷つけてしまうという
ことです。

 自分に合ったカトラリーをつ
くれば、同じ悩みを持つ人たち
の役にも立つはず。そう考えて、
関電の社内ベンチャー制度に応
募しました。金物の産地として
知られる新潟県燕市のメーカー
の協力を得て、柴田さんらの口
に合うよう、1ミリ単位で調整
して開発しました。スプーンは
すくう部分が幅2.4 センチと狭
く、平らな作り。裏面で果物や
野菜をつぶすこともできます。
フォークは幅1.9 センチで、歯
の先端は口内を傷つけないよう
に丸みをもたせました。口をあ
まり開けなくても、食事がしや
すい構造になっています。

 関電と柴田さんらが出資して
「猫舌堂」という会社を立ち上
げ、2月27日から専用サイト(
https://www.nekojitadou.jp/
別ウインドウで開きます)で売
り出しました。スプーンとフォ
ークのセットで税込み1800円で
す。1年後には月1千セットの販
売をめざしています。

 食事に悩んでいるがん経験者
は全国に数十万人いるとみられ
ています。今後は出張販売など
も実施し、がん経験者同士が悩
みを話し合う場もつくりたいと
いうことです。柴田さんは「食
べる喜びを取り戻すきっかけに
してもらいたい」と話していま
す。

猫舌堂のスプーンの紹介動画で

す。

 

 

 

 



 関電の送電設備で感電事故が
起こる。         笑













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2】 抗凝固薬内服中に脳梗塞発症した人は易再発性











 国立循環器病研究センターは
3月5日、抗凝固薬を内服中に脳
梗塞を発症した心房細動患者さ
んでは、抗凝固薬を内服してい
ない状態で脳梗塞を発症した心
房細動患者に比べ、脳梗塞の再
発リスクが1.5 倍高いことを解
明したと発表しました。この研
究は、同センターの脳血管内科
溝口忠孝医師、同脳卒中集中治
療科 田中 寛大医師、同脳血管
内科 吉村 壮平医長、同脳血管
内科 古賀 政利部長、同豊田一
則副院長らの研究グループによ
るものです。研究成果は、「St
roke」にオンライン掲載されて
います。心房細動は心臓の不整
脈の一種。心房細動があると心
臓の中に血栓が形成され、その
血栓が脳に飛散することがある
ため、脳梗塞を発症しやすくな
ります。抗凝固薬は血栓形成を
抑制する働きがあり、脳梗塞予
防を主な目的として、心房細動
患者に使用されています。しか
し、抗凝固薬で脳梗塞を完全に
予防できるわけではなく、実際
には抗凝固薬を内服しているに
も関わらず、脳梗塞を発症する
患者さんが多く存在します。抗
凝固薬内服中に脳梗塞を発症し
た心房細動患者さんに、抗凝固
薬の効果がうまく発揮できなく
なるような原因が潜んでいる可
能性があるため調査が非常に重
要ですが、現状ではそのような
データは存在しません。

一方、研究グループは、国内18
施設の多施設共同前向き研究で
ある「SAMURAI-NVAF研究」に登
録された症例データと、韓国15
施設の多施設共同前向き研究で
ある「CRCS-K研究」に登録され
た症例データから、心房細動を
有する脳梗塞症例のデータをプ
ールし、日韓合同でEAST-AF(E
ast-Asian Ischemic Stroke Pa
tients With Atrial Fibrillat
ion )レジストリを構築してい
ます。今回研究グループは、抗
凝固薬内服中に脳梗塞を発症し
た心房細動患者さんでは、抗凝
固薬を内服していない状態で脳
梗塞を発症した患者さんに比べ
て、脳梗塞の再発リスクが高い
のではないかと推察し、EAST-A
F レジストリを用いて検証しま
した。

日韓合同EAST-AF レジストリに
登録された非弁膜症性心房細動
を有する脳梗塞症例6,033 名の
うち、5,645 名分のデータが本
研究で解析可能でした。抗凝固
薬を内服中に脳梗塞を発症した
症例がそのうちの2割(1,129名)
を占めていました。抗凝固薬内
服中の脳梗塞症例と、抗凝固薬
を内服していない状態で脳梗塞
を発症した症例の2群に分類し
て1年間追跡し、脳梗塞や脳出
血、死亡のリスクに違いがある
かを評価しました。

解析の結果、抗凝固薬内服中に
脳梗塞を発症した心房細動症例
では、抗凝固薬を内服していな
い状態で脳梗塞を発症した心房
細動症例に比べ、脳梗塞の再発
リスクが1.5 倍高いことが示さ
れました。脳出血と死亡のリス
クについては両群間で差があり
ませんでした。

また、SAMURAI-NVAF研究と欧州
6 研究の登録症例をプールした
データの解析においても、同研
究と同様に、抗凝固薬内服中に
脳梗塞を発症した心房細動症例
では、抗凝固薬を内服していな
かった症例に比べ、脳梗塞の再
発リスクが1.6 倍高いことが示
され、同研究とほぼ同時に「An
nals of Neurology 」に掲載さ
れています。

この結果を受け、研究グループ
は「同研究と同様の結果がアジ
ア人以外でも確認されたことか
ら、抗凝固薬内服中に脳梗塞を
発症した心房細動症例について、
高い脳梗塞再発リスクのメカニ
ズム解明、さらに、これらの高
リスク症例に対する脳梗塞予防
戦略の確立など、国際的な取り
組みが必要だ」と述べています。

抗血栓療法について解説してい

る動画です。

 

 

 

 



 症例研究を奨励する。笑













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編集後記


 がん治療の影響で口を大きく
開けられず、食事がしにくい。
そんな悩みをもつ人たち向けの
カトラリー(スプーンやフォー
ク)を関西電力の社内ベンチャ
ーが作ったのは、素晴らしい事
です。 しかしながら、手術の
結果、食事がしにくくなってい
る訳ですから、手術以外の選択
肢を選べることになれば、この
問題は、やがて解決するものと
私は、考えています。そうは言
っても、手術してしまった方は、
こうしたカトラリーを使うこと
で、生活の質が上がると思われ
ます。手術以外の選択肢として
副作用の少ない代替・補完医療
をお勧めします。
 国立循環器病研究センターが
3月5日、抗凝固薬を内服中に脳
梗塞を発症した心房細動患者さ
んでは、抗凝固薬を内服してい
ない状態で脳梗塞を発症した心
房細動患者に比べ、脳梗塞の再
発リスクが1.5 倍高いことを解
明したと発表したのは、偉大な
業績です。同研究と同様の結果
がアジア人以外でも確認された
ことから、抗凝固薬内服中に脳
梗塞を発症した心房細動症例に
ついて、高い脳梗塞再発リスク
のメカニズム解明、さらに、こ
れらの高リスク症例に対する脳
梗塞予防戦略の確立など、国際
的な取り組みを進めて欲しい物
です。

 心房細動の発作を辛抱しては、
いけない。        笑
















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