診療マル秘裏話  号外Vol.1769 令和2年4月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)脇腹や背中に、突然激痛が出現する尿路結石症
2)手掌や足の裏に膿性水疱が多発する掌蹠膿疱症















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 脇腹や背中に、突然激痛が出現する尿路結石症











 尿路結石症では、脇腹や背中
に突然激しい痛みが表れます。
尿路(腎臓から尿道までの尿の
通り道)のどこかにカルシウム
などが結石を作り、大きいもの
では直径5~8センチにもなり
ます。大口東総合病院(横浜市
神奈川区)泌尿器科の松崎純一
部長は「今は症状がなくても、
後で痛みが出る可能性があるの
で、健康診断などで異常を指摘
されたら泌尿器科専門医を受診
しましょう」と話しています。
尿路結石とは、尿中の成分が固
まり結晶化して尿路に石ができ
る病気です。生涯のうちに尿路
結石症にかかるのは、10人に1
人(男性の7人に1人、女性の
15人に1人)とされています。

 症状は、脇腹や背中の片側の
痛み、血尿、吐き気などです。
痛みが生じるのは、尿路が結石
でこすれるからではなく、尿の
流れが妨げられるためだという
ことです。「結石で尿の流れが
せき止められても腎臓は尿を作
り続けるので、腎臓の被膜が延
びて痛むのです」と松崎部長は
解説しています。

 発症原因ははっきりしていま
せんが、メタボリックシンドロ
ーム(メタボ)の人は尿路結石
症になりやすいことが分かって
います。糖尿病や高脂血症とい
ったメタボの要素が重なると、
より尿路結石症のリスクが高ま
るとされています。治療法は大
きく分けて、〔1〕薬を使って
自然な排出を促す〔2〕体外か
ら結石に衝撃波を与えて細かく
砕き、排出しやすくする〔3〕
尿道または背中から内視鏡を挿
入して、結石を破砕して取り出
す―の3通りがあります。画像
検査で推測した結石の大きさや
硬さ、患者さんの体の状態など
考慮して選択します。

 例えば、直径4ミリ以下なら
自然排出が期待できるので薬物
治療、2センチ以上では背中か
ら内視鏡を挿入して治療すると
いった具合です。薬による治療
では排出までに1~2カ月、衝
撃波による治療では3カ月かか
るとされています。

 「痛みの有無にかかわらず、
早めに治療を始めた方がよいで
しょう」と松崎部長は言ってい
ます。なぜなら、結石は小さい
方が治療しやすく、腎臓に結石
がある場合は腎機能が低下する
ためです。

 尿路結石症は5年で40~50%
の患者さんが再発するため、再
発予防も重要となります。結石
の成分を分析して原因が分かれ
ば、それに応じた予防策を取る
ことができます。ちなみに、カ
ルシウムが成分の場合、昔は摂
取制限が指導されていましたが、
現在は取った方がよいとされて
います。「大切なのは、小まめ
に水分補給をして運動をするこ
とです。メタボの治療も重要に
なります」と松崎部長はアドバ
イスしています。

尿路結石について解説している

漫画動画です。

 

 

 

 



 予防策について教えてくれる
人を呼ぼう。       笑













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2】 手掌や足の裏に膿性水疱が多発する掌蹠膿疱症











 「掌蹠膿疱(しょうせきのう
ほう)症」では、手のひらや足
の裏に膿(うみ)がたまった水
膨れが多発します。人目に付く
手に病変が表れ、足に膿疱が多
発すると痛くて歩けないなど日
常生活に支障を来します。この
病気の専門外来を設ける聖母病
院(東京都新宿区)皮膚科の小
林里実部長は「患者ごとに発症
や悪化の原因を突き止めて取り
除けば、症状は改善します」と
話しています。掌蹠膿疱症の国
内患者数は推定約13万6000人で、
喫煙者、中年以降の女性に多い
とされています。手足の皮膚は、
膿疱が多発し、皮膚の皮がむけ
てガサガサになります。「患者
の10~30%は、鎖骨周辺、背骨
などの骨や関節にも炎症が生じ
ます。呼吸をするだけで痛みが
出たり、ベッドから起き上がれ
なかったりする例もあります」
と小林部長は言っています。

 原因ははっきりと分かってい
ませんが、「扁桃炎、歯周病な
ど、もともと体内に存在する細
菌による慢性的な炎症(感染病
巣)が関わっている例が多く見
られます」と説明しています。
皮膚にできる膿疱の中には細菌
はいないため、細菌そのものが
飛び火するわけではなく、「人
にもうつりません」(小林部長)
とのことです。体のどこかに感
染病巣が潜んでいることで、体
内で外敵と戦う免疫システムが
誤作動し、皮膚や関節に炎症が
生じると推測されています。別
の要素として重要なのは喫煙で、
炎症を促進させるということで
す。同病院の皮膚科では、初回
と2回目の診察で血液検査、画
像検査、歯科への検査依頼など
を行って感染病巣の有無を詳細
に調べます。見つかれば軽症や
無症状でも、耳鼻咽喉科や歯科
などと連携して治療する方針で
す。小林部長は「扁桃腺の摘出
や歯周病の治療で、60~80%の
患者は皮膚症状が改善します」
と話しています。

 新しい治療法として、2018年
11月からグセルクマブという注
射剤が使えるようになりました。
炎症に関わる「IL―23」という
物質に結合してその働きを妨げ、
炎症を抑える作用があります。
小林部長によると、〔1〕感染
病巣を治療しても皮膚症状が残
る〔2〕骨や関節の症状で生活
に支障がある〔3〕感染病巣が
見つからない―などの患者さん
が新薬の対象となります。

 使い始めると、3~6カ月後
から症状がゆっくり改善します。
副作用は注射した箇所の赤みな
どで、小林部長は「治癒可能な
病気です。諦めず治療を受けま
しょう」とアドバイスしていま
す。

漢方薬と保湿の塗布薬で掌蹠膿

疱症が治った症例の方の動画で

す。

 

 

 

 



 師匠の生活に支障が出る。笑













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編集後記


 尿路結石症では、脇腹や背中
に突然激しい痛みが表れます。
尿路(腎臓から尿道までの尿の
通り道)のどこかにカルシウム
などが結石を作り、大きいもの
では直径5~8センチにもなる
ということですので、すぐさま
結石を取り除くという処置はな
く、時間がかかっても、緩徐に
小さくして行くしか方法がない
と考えられます。胆石症やその
他の後腹膜疾患、腹部疾患との
鑑別がつきにくく、当直時間帯
での診断に苦慮した経験があり
ます。
 「掌蹠膿疱(しょうせきのう
ほう)症」では、手のひらや足
の裏に膿(うみ)がたまった水
膨れが多発し、人目に付く手に
病変が表れたり、足に膿疱が多
発して痛くて歩けなくなったり
など日常生活に支障を来たす事
も多いようです。根本の原因の
場所を特定する努力をして、他
の科と連携して治療するのは、
素晴らしいことです。扁桃腺の
摘出や歯周病の治療で、60~80
%の患者は皮膚症状が改善する
ということなので、新薬の出番
はそれ程ないと考えられますが
残りの20~40%の患者さんでは
最後の切り札として、控えてい
るということは、大きな安心に
つながることでしょう。

 農法を変えたら膿疱ができた。















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