診療マル秘裏話  号外Vol.2045 令和3年2月22日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)子宮体ガン進行度や転移再発リスク画像検査で予測
2)筋萎縮性側索硬化症のMuse細胞治験を1月開始












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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








 
1】 子宮体ガン進行度や転移再発リスク画像検査で予測











 福井大学は1月27日、正確な
判断が難しいとされる子宮体ガ
ンの進行度や転移、再発のリス
クを画像検査で予測できる可能
性があることを確認したと発表
しました。「手術や術後の抗ガ
ン剤投与の必要性などを見極め、
より個々に応じた治療の選択に
つながる」とし、症例を増やす
など研究を継続し実用化を目指
す方針です。

 同大の研究チームによると、
子宮体ガンと診断された場合、
現在は腫瘍の組織を採取して検
査しています。腫瘍のごく一部
しか調べられず、転移や再発を
正確に予測することが難しとさ
れてきました。

 このため、転移の可能性を考
慮し子宮摘出に加えて、早期と
診断された場合も約7割で骨盤
内のリンパ節も切除しています。
術後に足全体のむくみや合併症
が生じるリスクがありますが、
実際に転移するのは数%程度で
切除が不要な場合も多いとされ
ています。また、手術後に再発
リスクが低いとされた患者さん
が、早期に再発してしまうこと
もあるということです。

 子宮体ガンの約8割は、女性
ホルモンの一つであるエストロ
ゲンが原因とされています。福
井大は以前から、特殊な薬剤を
患者さんに投与し、陽電子放出
断層撮影装置(PET) を使って
エストロゲンと結びつく蛋白質
の量を調べ、腫瘍の悪性度や治
療効果を判定する研究を進めて
きました。

 今回は同意を得た患者さん67
人を対象に、同様の手法でガン
の進行度や転移、再発を予測で
きるかを研究しました。その結
果、この蛋白質が少ないと、転
移や再発の可能性が高く進行も
速い傾向が分かりました。

 研究成果をまとめた論文が米
医学誌の電子版に掲載されまし
た。福井大産科婦人科の山田し
ず佳特命助教は「画像検査でリ
ンパ節切除の必要性などが予測
できれば、患者の負担軽減や生
活の質の維持につながる」と説
明しています。吉田好雄教授は
実用化にはまだ時間がかかると
し、「今後は症例数を増やして
信ぴょう性を確認していきたい。
海外の大学などとも連携し、国
際共同研究としてやっていけれ
ば」と話しました。

子宮体ガンについて解説してい

る動画です。

 

 

 

 



 症例数を増やすことを奨励す
る。           笑














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2】 筋萎縮性側索硬化症のMuse細胞治験を1月開始















 三菱ケミカルホールディング
スグループの生命科学インステ
ィテュート(LSII)は1月2
8日,神経難病の筋萎縮性側索硬
化症(ALS)を対象に再生医
療製品「Muse(ミューズ)
細胞」の治験を1月から始める
と発表しました。

 ALSは運動神経が変性し筋
力が低下する難病です。中年期
以降に発症することが多いとさ
れています。現状、薬や人工呼
吸などで治療を行いますが、根
治せず、やがて呼吸筋麻痺を起
こします。

 ミューズ細胞は東北大学の出
澤真理教授らが発見した多能性
幹細胞です。さまざまな組織や
細胞に分化する特徴があるとと
もに、ガン化や免疫拒絶のリス
クがないとされています。

 LSIIは、健康なドナーか
ら採取した間葉系幹細胞からミ
ューズ細胞を取り出し培養し治
療薬にします。静脈内に点滴投
与すると、損傷部位に集積して
生着し、その場に必要な組織に
分化して修復します。

 岡山大学はALS病態のマウ
スにミューズ細胞を反復投与し、
運動機能が改善すること、脊髄
を構成する細胞に分化すること
を昨年10月に研究報告していま
した。この結果を受け、LSI
Iは治験に進みます。

 治験は探索的臨床試験で、岡
山大学病院で実施します。新規
患者さんや発症2年以内の患者
さん計5人にミューズ細胞を複
数回、静脈に点滴で投与し、安
全性と、症状進行の抑制といっ
た有効性を検証します。対照群
は設けません。試験期間は2022
年末までです。

 ミューズ細胞は脳梗塞や心筋
梗塞、脊髄損傷などを対象に治
験が進んでおり、ALSは6つ
目の治験となります。最初の適
応症の承認申請は2021年度を計
画し、2022年度の承認取得を目
指しています。

このニュースの動物実験の動画

です。

 

 

 



 心筋梗塞と真菌症を、同時に
発症する。        笑















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編集後記




 福井大学が1月27日、正確な
判断が難しいとされる子宮体ガ
ンの進行度や転移、再発のリス
クを画像検査で予測できる可能
性があることを確認したと発表
したのは、素晴らしい業績です。
子宮体ガンの約8割は、女性ホ
ルモンの一つであるエストロゲ
ンが原因とされているため特殊
な薬剤を患者さんに投与し、陽
電子放出断層撮影装置(PET)
を使ってエストロゲンと結びつ
く蛋白質の量を調べ、腫瘍の悪
性度や治療効果を判定するとい
う手法は、エレガントだと思い
ました。この研究の結果、上記
の蛋白質が少ないと、転移や再
発の可能性が高く進行も速い傾
向が分かったのは、素晴らしい
ことです。ただし、進行が速い
タイプであると診断しても術後
の化学療法は、クロノテラピー
などの患者さんの負担の軽減を
考えるようにして頂きたいもの
です。
 三菱ケミカルホールディング
スグループの生命科学インステ
ィテュート(LSII)が1月
28日、神経難病の筋萎縮性側索
硬化症(ALS)を対象に再生
医療製品「Muse(ミューズ)
細胞」の治験を1月から始める
と発表したのは素晴らしい企画
だと思います。ALSは現在で
も有効な治療法が見つかってお
らず、仮に見つかっていたとし
ても、実用化されておらず治療
法開拓が、喫近の課題と言える
でしょう。岡山大学はALS病
態のマウスにミューズ細胞を反
復投与し、運動機能が改善する
こと、脊髄を構成する細胞に分
化することを昨年10月に研究報
告しているということですから、
種の違いは、あれども恐らく良
い結果が期待できるのではない
かと私は推測しています。ただ、
最初の適応症の承認申請は2021
年度を計画し、2022年度の承認
取得を目指しているということ
ですが、既に診断された患者さ
んのことを考えると、もう少し
早く承認して頂きたいと切に願
う次第です。

 有利な立場を構成することに
攻勢をかける。      笑















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