診療マル秘裏話  号外Vol.1827 令和2年6月13日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)肺小細胞ガンは浸潤スピードと転移スピードが速い
2)ニコチン依存症治療用アプリ長期的な禁煙継続率改善















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 肺小細胞ガンは浸潤スピードと転移スピードが速い












 肺ガンは、小細胞肺ガンと非
小細胞肺ガンに大きく分けられ
ます。小細胞肺ガンは肺の中で
急速に広がり、他の臓器への転
移も速いことが分かっています。
そのため迅速な治療が必要にな
ります。近畿大学病院(大阪府
大阪狭山市)腫瘍内科診療部長
の中川和彦主任教授に聞きまし
た。小細胞肺ガンは、肺ガン全
体の10~15%を占めています。
ガン細胞自体が他の肺ガン細胞
と比べて小さく、密集して広が
っていくことから小細胞肺ガン
と呼ばれます。主な原因は喫煙
ですが、大気汚染物質のPM2.
5 や放射線、アスベストなどの
有害化学物質もリスクになりま
す。

 ガンは、気管が左右の肺へと
別れる肺門部に生じます。肺門
の近くには上大静脈やリンパ節
があるため、ガン細胞が肺の中
で広がると、他の臓器にも転移
しやすいことが知られています。
しかし、初期症状はせきやたん、
発熱、体重減少などが多く、他
の呼吸器系の病気と区別がつか
ず、肺ガンに気付きにくいとい
うことです。

 中川主任教授は「初期(1、
2A期)での発見例は極めて少
ないと言われています。この段
階であれば、手術も可能ですし、
治る可能性も高くなります。し
かし、小細胞肺ガンの早期発見
は難しく、有効な薬物療法の開
発が重要となります」と強調し
ています。手術が行える時期に
発見される例が少ないため、小
細胞肺ガンの治療は薬物療法と
放射線療法が中心となります。
特に薬物療法では、殺細胞性抗
ガン薬に加えて、2019年には進
行例に対して免疫チェックポイ
ント阻害薬が承認され、治療の
幅が広がりました。

 小細胞肺ガンは、ガン細胞の
肺での増殖や他臓器への転移が
早い段階で起こります。放射線
治療では、照射範囲の限界や照
射量の制限があるため、転移が
広範囲に及ぶと、放射線治療が
困難になり、根治の確率は下が
ります。

 「他の臓器に転移する前に見
つけることがとても大事です。
風邪をひいているわけでもない
のにせき、たんが絡むといった
症状が長引くようなら、早めの
受診と胸部X線検査の実施をお
勧めします」と中川主任教授は
話しています。

肺小細胞ガンについて解説して

いる動画です。

 

 

 

 



 実子に健康診断を実施する。














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2】 ニコチン依存症治療用アプリ長期的な禁煙継続率改善












 慶應義塾大学は5月21日、ニ
コチン依存症に対する治療用ア
プリの大規模多施設ランダム化
比較対照試験の結果、禁煙外来
での長期的な禁煙継続率が改善
したことを明らかにしたと発表
しました。これは、同大医学部
内科学教室(呼吸器)の正木克
宜助教、舘野博喜講師(非常勤)、
福永興壱教授、株式会社CureAp
p の佐竹晃太氏、鈴木晋氏らの
研究グループによるものです。
研究成果は、「npj Digital Me
dicine」に掲載されています。
喫煙は国内の予防可能な最大の
死亡要因であるだけでなく、労
働生産性を低下させ、医療費増
加の原因となっています。喫煙
行動の本態はニコチン依存症で
あり、その治療手段として、日
本では2006年から禁煙外来が保
険適用となっています。禁煙外
来では12週間に5回の診療を行
い、禁煙補助薬の処方やカウン
セリングを行いますが、1年後
に禁煙継続できているのはわず
か3割ほどであり、長期的な禁
煙継続効果をもたらす手段が必
要とされています。

近年、デジタル療法への関心が
高まっており、海外ではすでに
糖尿病などを対象とした治療用
アプリが保険適用となった事例
があります。国内でも治療薬の
ように、医師が処方して疾患の
コントロールを改善する「治療
用アプリ」の開発が進んでおり、
今後、さまざまな疾患に対する
治療用アプリの登場が期待され
ています。今回の研究で使用さ
れた「ニコチン依存症治療用ア
プリ」は、慶應義塾大学医学部
内科学教室(呼吸器)と株式会
社 CureAppで共同開発した国内
初の治療用アプリであり、また、
アプリの臨床的な治療効果を検
証する治験自体も国内初となり
ます。さらに、禁煙治療用アプ
リの長期的な効果を実証した大
規模臨床試験は、国際的にも初
めての試みだということです。

研究で用いられた同アプリは、
日本の禁煙外来治療ガイドライ
ンに相当する「禁煙治療のため
の標準手順書」の治療内容に準
拠しています。さらに、研究グ
ループが独自に開発した自動応
答チャット、教育動画コンテン
ツ、デジタル禁煙日記などの機
能により、日常での禁煙継続を
支援するものです。

同試験は、全国31か所の禁煙外
来を受診した喫煙者584 人を対
象に実施しました。標準的な治
療内容に加えてニコチン依存症
治療用アプリを併用した介入群
と、治療用プログラムが入って
いない対照アプリを使用した対
照群とに患者さんをランダムに
割り付け、有効性を検証しまし
た。その結果、9~24週におけ
る禁煙継続率は介入群で63.9%、
対照群で50.5%となり、統計学
的な有意差をもって半年間の禁
煙効果が高まりました(オッズ
比1.73;95%信頼区間 1.24‐2
.42, P=0.001)。さらに、9~52
週における禁煙継続率でもその
治療効果は有意に保たれており
(介入群 52.3%、 対照群41.5
%)、同アプリが1年後まで禁
煙継続率を高めることが示され
ました。

今後、同アプリが保険承認され、
保険診療の処方ができるように
なれば、これまで以上に多くの
患者さんを禁煙成功へと導くこ
とができると期待されます。研
究グループは、「デジタル療法
が今後発展することにより、診
療の質の均てん化や効率化につ
ながることが期待される」と、
述べています。

禁煙アプリについて解説してい

る動画です。

 

 

 

 



 公立学校の学習の効率化を図
る。           笑















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編集後記



 肺ガンは、小細胞肺ガンと非
小細胞肺ガンに大きく分けられ
小細胞肺ガンは肺の中で急速に
広がり、他の臓器への転移も速
いことが分かっています。その
ため迅速な治療が必要になる事
は、医師の間では、周知の事実
です。肺小細胞ガンは、気管が
左右の肺へと別れる肺門部に生
じることが知られています。肺
門の近くには上大静脈やリンパ
節があるため、ガン細胞が肺の
中で広がると他の臓器にも転移
しやすいことが知られています。
しかし、グルタミンの窒素代謝
シフトがガンの悪性化に必須で
あり、その傾向は肺小細胞ガン
で顕著であることが分かってお
り、グルタミンの窒素を核酸前
駆体に転移させるPPATという代
謝酵素の阻害剤さえ、発見され
れば、肺小細胞ガンの治療は、
容易になるのではと推測してい
ます。
 慶應義塾大学が5月21日、ニ
コチン依存症に対する治療用ア
プリの大規模多施設ランダム化
比較対照試験の結果、禁煙外来
での長期的な禁煙継続率が改善
したことを明らかにしたと発表
したのは素晴らしい業績です。
喫煙は国内の予防可能な最大の
死亡要因であるだけでなく、労
働生産性を低下させ、医療費増
加の原因となっていて、喫煙行
動の本態はニコチン依存症であ
り、その治療手段として、日本
では2006年から禁煙外来が保険
適用となっていることは医療に
携わる者には周知の事実です。
禁煙外来では12週間に5回の診
療を行い、禁煙補助薬の処方や
カウンセリングを行いますが、
1年後に禁煙継続できているの
はわずか3割ほどであり、長期
的な禁煙継続効果をもたらす手
段として、禁煙アプリは、重要
な役割を果たすものと推測され
ます。

 近縁の人から禁煙しましょう。
















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