診療マル秘裏話  号外Vol.1934 令和2年10月16日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)ATLの同種造血幹細胞移植後は,眼内に炎症出現
2)脳障害の子供に兄弟姉妹臍帯移植血で症状改善















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 ATLの同種造血幹細胞移植後は,眼内に炎症出現












 東京医科歯科大学は9月18日、
成人T細胞白血病に対する同種
造血幹細胞移植後に起こる炎症
は、他臓器に先行して眼内に炎
症(樹氷状網膜血管炎)が出現
することを報告し、眼科検査の
重要性を明らかにしたと発表し
ました。この研究は、同大大学
大学院医歯学総合研究科眼科学
分野の鴨居功樹講師と大野京子
教授の研究グループが、東京大
学医科学研究所附属病院血液内
科(東條有伸教授・病院長、加
藤せい子助教)、東京大学大学
院新領域創成科学研究科(内丸
薫教授)との共同研究として行
ったものです。研究成果は、「
THE LANCET Haematology」のオ
ンライン版に掲載されています。
世界で3000万人以上が感染して
いるHTLV-1は、日本に約108 万
人の感染者がいると推定される
ウイルスで、先進国の中で日本
に最も多くの感染者が存在しま
す。近年、HTLV-1はオーストラ
リアの先住人であるアボリジニ
の40%以上の成人が感染してい
ることが明らかになり、世界保
健機構(WHO )をはじめ、世界
中から注目を集めています。こ
のウイルスは成人T細胞白血病、
HTLV-1関連脊椎症、HTLV-1ぶど
う膜炎など、ヒトに病気を起こ
すため、先進国の中で最も感染
者が多い日本は、このウイルス
に対して率先して取り組む責務
があります。

 HTLV-1感染で引き起こされる
成人T細胞白血病は、かつて生
命予後が不良でしたが、現在、
同種造血幹細胞移植によって生
命予後の改善がみられます。成
人T細胞白血病関連眼疾患とし
ては、Knob-like ATL cell Mul
tiple Ocular Infiltration si
gn(KAMOI sign)を特徴とする
眼浸潤や、サイトメガロウイル
ス網膜炎といった眼感染症など
目に病変を起こすことが知られ
ていますが、これまでに同種造
血幹細胞移植によって起こる目
の病変は明らかになっていませ
んでした。同種造血幹細胞移植
によって成人T細胞白血病患者
さんの生命予後は改善しました
が、移植前処置(抗ガン剤、放
射線照射)を含む同種造血幹細
胞移植における一連の治療は、
患者さんの免疫恒常性の破綻、
免疫寛容の減弱を起こし、全身
に炎症が生じることがあります。
そこで研究グループは、成人T
細胞白血病患者さんに対して、
同種造血幹細胞移植の前後に眼
科検査、全身検査を行い、かつ
長期に渡るフォローアップを実
施しました。その結果、成人T
細胞白血病に対して同種造血幹
細胞移植を行った後に生じる炎
症は、他の臓器・部位に先行し
て眼内に炎症が生じ、樹氷状網
膜血管炎という特徴的な所見を
呈することを世界で初めて明ら
かにしました。

 成人T細胞白血病における同
種造血幹細胞移植に関連した眼
症状はこれまで明らかではあり
ませんでしたが、移植後の炎症
は、他の部位に先行して眼内に
炎症(樹氷状網膜血管炎)が起
こるという今回の報告によって、
移植後の患者さんのフォローア
ップの際には、積極的な眼科検
査を行い、早期に炎症を発見す
ることが重要であることが示さ
れました。現在、同種造血幹細
胞移植によって成人T細胞白血
病患者さんの生命予後の改善が
みられますが、今後は移植後の
患者さんのQuality of Life (
生活の質)が重要になってきて
います。研究グループは、「患
者のQuality of Lifeに重要なQ
uality of Vision(視力の質)
を守る観点からも、眼科検査は
重要と考えられる」と、述べて
います。

成人T細胞白血病について解説

している動画です。

 

 

 

 



 死力を尽くして視力を守る。














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2】 脳障害の子供に兄弟姉妹臍帯移植血で症状改善













 脳性まひなど脳障害のある子
どもに、兄弟姉妹の臍帯(さい
たい)血に含まれる細胞を投与
し、症状改善を目指す高知大の
臨床研究計画を、厚生労働省の
専門部会が9月24日、了承しま
した。
 臍帯血は母親と赤ちゃんをつ
なぐへその緒と胎盤に含まれる
血液で、白血病治療などに用い
られています。
 研究計画によると、投与対象
は脳性まひなどの1~6歳の8
人ということです。兄弟姉妹の
臍帯血が民間バンクに保存され
ており、免疫の型の一部が一致
することが必要で、細胞を輸血
で投与し、安全性と効果を検証
します。

小児の高次脳機能障害の患者さ

んのニュース動画です。

 

 

 

 



 懸賞金の受け取りを検証する。













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編集後記




 東京医科歯科大学が9月18日、
成人T細胞白血病に対する同種
造血幹細胞移植後に起こる炎症
は、他臓器に先行して眼内に炎
症(樹氷状網膜血管炎)が出現
することを報告し、眼科検査の
重要性を明らかにしたと発表し
たのは、素晴らしい業績です。
しかし、同種幹細胞移植が前提
となっているので移植の前処置
を考えると患者さんの負担の大
きすぎることを考えざるを得ま
せん。最近でも、日本の南方の
ATL の患者さんをメタボジェニ
ック療法で治療した所、身体の
負担も少なく、運動をするほど
元気になられました。移植をす
るには、まず拒絶反応を現在の
ような前処置をすることなく、
抑制することを考えるべきだと
思います。
 脳性まひなど脳障害のある子
どもに、兄弟姉妹の臍帯(さい
たい)血に含まれる細胞を投与
し、症状改善を目指す高知大の
臨床研究計画を、厚生労働省の
専門部会が9月24日、了承した
のは、喜ばしいことです。一生
脳障害を抱えて生きていくのは、
患者さんをサポートする両親を
はじめとする家族の方にとって
も非常に辛いことだと思います。
麻痺が軽減するなら、臍帯血の
幹細胞移植を考えるべきではな
いでしょうか?兄弟姉妹の臍帯
血が民間バンクに保存されてお
り、免疫の型の一部が一致する
などの条件が必要ですが、条件
さえクリアーできれば、細胞を
輸血で投与し、安全性と効果を
検証する臨床研究が成功するこ
とを切に願って止みません。

 精巧な細工を用いることで、
成功する。        笑
















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