診療マル秘裏話  号外Vol.2082 令和3年4月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)延命草苦味成分の大腸ガン細胞増殖抑制メカニズム
2)関節軟骨修復治療に使用可軟骨細胞培養に成功












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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








 
1】 延命草苦味成分の大腸ガン細胞増殖抑制メカニズム










 京都府立医科大学は3月9日、
延命草の苦味成分「ラブドシア
ノン1」が大腸ガン細胞の増殖
を抑制する分子メカニズムを解
明したと発表しました。この研
究は、同大大学院医学研究科分
子標的予防医学の渡邉元樹講師
と梅花女子大学の山田恭正教授、
産業技術総合研究所の亀田倫史
主任研究員らの研究グループに
よるものです。研究成果は、「
Cancers」に掲載されています。

 日本に自生するシソ科の多年
草、延命草(学名 Isodon japo
nicus Hara)は古くから生薬と
して受け継がれ、その昔、弘法
大師が、病に倒れ苦しむ旅人に
延命草の搾り汁を与えた所、た
ちまち起き上がったという伝承
から、「ヒキオコシ(引き起こ
し)」とも呼ばれ、「起死回生
の妙薬」と伝えられてきました。
しかしその薬効成分と作用メカ
ニズムについては十分解明され
ておらず、これまで民間治療と
して一部の地域で用いられてい
るのみでした。

 梅花女子大学の山田教授は、
延命草の苦味成分としてこれま
で知られていた「エンメイン」
(enmein)や「オリドニン」(
oridonin)とは別の有機化合物
を延命草から抽出分離して、そ
の分子構造を決定し、ラブドシ
アノン1(rabdosianone 1)と
命名しています。そして今回、
このラブドシアノン1はガン細
胞にどのような効果を及ぼすか
を研究しました。

 今はじめに、複数のヒト大腸
ガン細胞にラブドシアノン1を
添加しました。結果、ガン細胞
のほとんどが消失することを見
出しました。また、そのメカニ
ズムとして、ガン遺伝子として
広く知られる、チミジル酸シン
ターゼ(thymidylate synthase)
の発現抑制を介することが生化
学的実験によって分かりました。

 次に、ナノ磁性ビーズにラブ
ドシアノン1を固定化するケミ
カルバイオロジーの手法を用い
て、ラブドシアノン1が、ガン
細胞内においてミトコンドリア
内に存在する2種のタンパク質a
denine nucleotide translocas
e 2(ANT2)とprohibitin 2(P
HB2) に直接結合することを発
見しました。このことを裏付け
るために、産業技術総合研究所
の亀田倫史主任研究員らが、ス
ーパーコンピューターを用いた
分子動力学シミュレーションを
行った所、ラブドシアノン1が
ANT2の疎水性ポケットに強力に
結合している様子が確認されま
した。

 さらに、遺伝子の発現を抑え
る実験(ノックダウンアッセイ)
により、ANT2とPHB2がともにチ
ミジル酸シンターゼの発現を制
御していることを証明しました。
つまり、ラブドシアノン1はAN
T2とPHB2に結合し、その機能を
阻害することで、チミジル酸シ
ンターゼの発現を抑制し、ガン
細胞の増殖を阻止するという新
規メカニズムを明らかにしまし
た。

 世の中にはさまざまな天然物
由来の民間薬や健康食品があふ
れていますが、科学的機序が裏
付けられているものはそう多く
ありません。今回、ガン予防研
究、分子細胞生物学、天然物有
機化学、生命情報科学など多彩
なバックボーンを有する研究者
で構成された研究グループによ
って、延命草の苦味成分ラブド
シアノン1の、ガン細胞内にお
ける標的蛋白質の同定に成功し、
ガン遺伝子チミジル酸シンター
ゼの発現を抑制する分子メカニ
ズムを明らかにしました。

 「チミジル酸シンターゼは、
すでに世界中で汎用されている
抗ガン剤5-FUの標的分子として
も知られており、ラブドシアノ
ン1をリード化合物として合成
展開することにより、より安全
で新たなガン予防薬や抗ガン剤
の開発につながることが期待さ
れる」と、研究グループは述べ
ています。

延命草茶について解説している

動画です。

 

 

 

 



 厚生労働省によって構成され
た研究班。        笑














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2】 関節軟骨修復治療に使用可軟骨細胞培養に成功 













 医療技術のジーエヌコーポレ
ーション(GNC、山梨県甲府
市)は、江戸川病院(東京都江
戸川区)が、関節軟骨修復治療
に使用できる可能性のある軟骨
細胞の培養に成功したと発表し
ました。同院は、3次元組織工
学プラットフォームを用い、軟
骨前駆細胞や間葉系幹細胞を培
養することに成功しました。人
工的なリプログラミングや動物
性蛋白質、フィーダー細胞は不
要でした。 臨床的検証を経て、
自家軟骨細胞移植(ACI)や
マトリックス補助軟骨細胞移植
(MACI)の治療に使用でき
る可能性があります。結果はT
he・KNEE誌に掲載されま
した。

膝の痛みを再生医療で治療する

ことについて解説している動画

です。

 

 

 

 



 懸賞に応募することで支払い
過程を検証する。     笑














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編集後記



 京都府立医科大学が3月9日、
延命草の苦味成分「ラブドシア
ノン1」が大腸ガン細胞の増殖
を抑制する分子メカニズムを解
明したと発表したのは、素晴ら
しい業績です。梅花女子大学の
山田教授は、延命草の苦味成分
としてこれまで知られていた「
エンメイン」(enmein)や「オ
リドニン」(oridonin)とは別
の有機化合物を延命草から抽出
分離して、その分子構造を決定
し、ラブドシアノン1(rabdos
ianone 1)と命名していて、こ
のラブドシアノン1の、ガン細
胞内における標的蛋白質の同定
に成功したのは、エレガントな
手法だと思いました。 同時に、
ラブドシアノン1のガン遺伝子
チミジル酸シンターゼの発現を
抑制する作用も解明したのは、
凄い研究としか言いようがあり
ません。
分子メカニズムを今回解明し
 医療技術のジーエヌコーポレ
ーション(GNC、山梨県甲府
市)が、江戸川病院(東京都江
戸川区)が、関節軟骨修復治療
に使用できる可能性のある軟骨
細胞の培養に成功したと発表し
たのは喜ばしいことです。江戸
川病院は、3次元組織工学プラ
ットフォームを用い、軟骨前駆
細胞や間葉系幹細胞を培養する
ことに成功したということです
が、軟骨の再生医療特に膝関節
の変形性膝関節症の需要は、大
きく、現在、人工関節置換術が
主流の治療法となっているのを
再生医療に一変させる可能性を
秘めていると私は、考えていま
す。まだ培養に成功しただけな
ので、臨床応用までの道のりは
遠いかもしれませんが、今後の
研究に期待したいと思います。

 精巧な時計造りに成功する。
















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