診療マル秘裏話  号外Vol.2499 令和4年8月6日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次

1)免疫療法実施の進行NSCLC患者TMBと転帰の相関
2)一般日本人約5万人分ゲノム解析を完了と発表











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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 免疫療法実施の進行NSCLC患者TMBと転帰の相関











 PD-1阻害薬またはPD-L1 阻害
薬による免疫療法を実施した進
行非小細胞肺ガン(NSCLC)患者
さん1552例を対象に、遺伝子変
異量(TMB) 免疫療法の相関を
多施設共同コホート研究で検討
しました。

 その結果、客観的奏効率(OR
R)、無増悪生存期間(PFS)お
よび総生存期間(OS)の改善と
の相関を示すTMB閾値(100万塩
基対当たりの変異数19.0以下を
TMB低値、19.0超をTMB高値と定
義)を特定しました。このTMB
閾値に、PD-L1発現率1%未満、
1-49%および50%以上の各サブ
グループで免疫療法の転帰の有
意な改善との相関が認められま
した。ORRはTMB高値およびPD-L
1発現率50%以上の患者さんが57
%、TMB低値およびPD-L1発現率
1%未満の患者で8.7%でした。

 非小細胞肺ガンの薬物療法につ

いて解説している動画です。

 

 

 

 



 拳闘の試合の興行を検討する。
















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2】 開発中塩野義内服薬武漢熱BA.4とBA.5にも有効














 一般の日本人約5万人分のゲ
ノム(全遺伝情報)解析を完了
した、と東北大学東北メディカ
ル・メガバンク機構などが発表
しました。米英に次ぐ世界有数
の規模となりました。「官民共
同10万人全ゲノム解析計画」に
基づくもので、データを順次、
研究者に提供していく予定です。
ガンや難病の解明、創薬などに
役立つことが期待されます。

 ゲノムはDNA の全配列で、い
わば生き物の設計図です。ヒト
のDNA は細胞の染色体にあり、
アデニン、チミン、グアニン、
シトシンの4種類の塩基が並ん
だ構造をしています。並び方の
個人ごとのわずかな違いが、体
質や病気のかかりやすさの違い
となります。ゲノム情報を調べ、
患者さん固有の変異に基づいて
ガンや難病を診断し、“テーラ
ーメード”で治療するゲノム医
療が近年、進展してきました。

 日本人のゲノム構造は欧米人
とかなり異なるため、日本のゲ
ノム医療のためには、これを正
確に把握する必要があります。
また、患者さんの遺伝子の変異
を判断するには、参照用の大規
模な一般住民の、ゲノムと健康
情報のデータベースが必要です。

 そこで同機構は宮城、岩手県
などの住民15万人超の協力で、
DNA などの生体試料を集めてき
ました。これらのゲノム解析を
進めており、昨年12月に約1万
4000人分に到達しました。さら
に今年6月末までに、約5万人
分の解析を完了しました。この
うちデータの偏りを避けるため
近親者を排除した約3万8000人
について、データベースにまと
めて公開しました。

 広く研究者が利用すれば、個
人ごとに健康上のリスクを予測
し病気を予防することや、創薬
の加速につながると期待されま
す。日本人だけではなく東アジ
アに適用できると考えられると
いうことです。公的資金や製薬
企業のデータ利活用料金を財源
に、今後も解析を続け、10万人
分のゲノム解析を目指します。

 一方、海外にはさらに大規模
な取り組みがあり、昨年11月に
英国で20万人分、今年3月には
米国で10万人分の解析情報が公
開されました。同機構の山本雅
之機構長は会見で「一般住民の
ゲノムデータは、革新的な創薬
に必須だ。米英に比べ(データ
の)規模は小さいが、こちらは
追跡調査や家系の情報があり、
非常に分厚い健康情報がついて
いるのが特徴。東アジアを代表
してしっかりやっている」と述
べました。

 東日本大震災の復興事業とし
て、同機構と岩手医科大学いわ
て東北メディカル・メガバンク
機構が進める「東北メディカル・
メガバンク計画」の一環です。
ゲノム調査は2013年に開始しま
した。15年度からは日本医療研
究開発機構(AMED)が支援機関
となっています。

 ゲノム編集について解説して

いる動画です。 

 

 

 

 



 革新的な創薬手法の核心を突
いた質問をする。     笑













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編集後記



 PD-1阻害薬またはPD-L1 阻害
薬による免疫療法を実施した進
行非小細胞肺ガン(NSCLC)患者
さん1552例を対象に、遺伝子変
異量(TMB) 免疫療法の相関を
多施設共同コホート研究で検討
し、遺伝子変異量(TMB) が多
い程、免疫療法の予後の改善が
みられたのは、以前から予想さ
れたことでした。喫煙歴があれ
は、遺伝子変異量(TMB) が多
いことは自明の理なので、以前
のメルマガで申し上げた通り、
喫煙歴がある人の方が免疫療法
が効果があるということの裏付
けになると思います。
 一般の日本人約5万人分のゲ
ノム(全遺伝情報)解析を完了
した、と東北大学東北メディカ
ル・メガバンク機構などが発表
したのは、素晴らしい業績です。
日本人のゲノム構造は欧米人と
かなり異なるため、日本のゲノ
ム医療のためには、これを正確
に把握する必要があり、患者さ
んの遺伝子の変異を判断するに
は、参照用の大規模な一般住民
の、ゲノムと健康情報のデータ
ベースが必要ということなので、
臨床で使えるデータベースが誕
生したことは間違いないようで
す。

 機構の提案した案件を聞こう。














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