診療マル秘裏話  Vol.861 令和2年6月10日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)1型糖尿病では腸内の寄生虫が分泌する糖が鍵
2)COPDと喘息合併例は3剤配合吸入薬で治療可能















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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 1型糖尿病では腸内の寄生虫が分泌する糖が鍵












 免疫機能の異常でホルモンの
一種のインスリンができず、高
血糖になる「1型糖尿病」と呼
ばれる病気があります。患者さ
んは子供や若者を中心に、幅広
い年代におよんでいます。こう
した中、理化学研究所などのグ
ループが注目すべき成果を上げ
ました。発症を抑える免疫細胞
を特定し、腸内の寄生虫が分泌
する「糖」がカギを握ることを、
マウスを使った実験で突き止め
ました。さらなる研究を通じ、
1型糖尿病の新たな予防、治療
法の開発につながる期待が高ま
ります。1型糖尿病は、本来な
ら異物から体を守るべき免疫の
仕組みが、誤って自分の細胞や
組織を攻撃する「自己免疫疾患」
の一種です。インスリンを分泌
する膵臓(すいぞう)の「ベー
タ細胞」が、自分の免疫細胞に
破壊されてしまいます。このた
め、食べ物から得られた血中の
ブドウ糖が細胞に取り込まれず
エネルギーに変われないまま、
濃度(血糖値)が上がって尿に
出てしまいます。

 口の渇きや多尿、体重減、意
識障害などが症状で、生命の危
険が生じます。完治は難しいと
され、患者さんは一生涯、イン
スリン注射を打ち続けて血糖値
を制御する必要があります。原
因となっているベータ細胞の破
壊を抑えるには、どうすればよ
いのでしょうか?。大きな研究
課題となっています。

 厚生労働省の研究班が2018年
にまとめた資料によると、1型
糖尿病患者さんは全国で推計約
10万~14万人いるとされていま
す。米国の調査では2001~09年
の8年間に、同国で20歳未満の
1型糖尿病の有病率は約21パー
セント増加したということです。
中高年に多い生活習慣病の2型
糖尿病は、肥満などによって、
インスリンが出ても十分に効か
ずに高血糖になるもので、1型
とは仕組みが全く異なります。
マウスを使った実験でまず、ベ
ータ細胞を破壊する薬剤を投与
すると、インスリンが作られず
1型糖尿病になりました。一方、
腸管寄生虫の一種に感染させた
マウスでは、薬剤を与えてもベ
ータ細胞が破壊されず発症しま
せんでした。

 この寄生虫に感染したマウス
では、免疫を抑制する細胞の一
種「CD8陽性制御性T細胞(CD8T
レグ)」が増加していました。
ここからCD8Tレグを除去すると
1型糖尿病が発症しました。ま
た、寄生虫に感染していないマ
ウスにCD8Tレグを入れると発症
が抑えられました。寄生虫に感
染したマウスの小腸を調べると、
寄生虫が糖の「トレハロース」
を分泌しており、これを餌にし
て腸内細菌の一種が増加してい
ました。野生の普通のマウスに
この細菌の仲間を与えるとCD8T
レグが増え、ベータ細胞を破壊
する薬剤を与えても1型糖尿病
になりませんでした。

 こうした結果から、寄生虫が
分泌するトレハロースを餌とす
る細菌の働きでCD8Tレグが増え、
ベータ細胞の破壊を食い止め、
発症を抑制していることが分か
りました。寄生虫と細菌の連携
プレーといえます。一方、ヒト
の1型糖尿病患者でもCD8Tレグ
や、マウス実験で使った細菌の
仲間が少ないことも明らかにし
ました。CD8Tレグは別の自己免
疫疾患に効果があることが別グ
ループの実験で分かっていまし
たが、増える仕組みは未解明で
した。有害なイメージばかり持
たれがちな寄生虫ですが、中に
は人体を守っているものがある
ことには驚かされます。

 今後はCD8Tレグが増える詳し
い仕組みや働き、細菌がどんな
物質を出しているかの解明など
が課題で、グループは研究を続
けます。将来的に期待される臨
床応用として、理研の大野博司
チームリーダー(腸管免疫学)
は「細菌が出す物質や、細菌を
構成する物質を突き止めて飲み
薬にすることなどが考えられる。
1型糖尿病患者さんがこうした
薬を定期的に飲むことで、イン
スリンを注射しなくても済むよ
うになる」と展望しています。
近年は衛生環境が良くなり、寄
生虫や細菌の感染症が減る一方
で、1型糖尿病のような自己免
疫疾患やアレルギーなどの現代
病が増加しています。薬剤の普
及で寄生虫感染が激減した地域
で、実際に自己免疫疾患の患者
さんが増加したことも分かって
います。このように感染症が減
ったために現代病が増加したと
する考えを「衛生仮説」と言い
ます。グループは今回の成果を
通じ、この仮説をメカニズムも
含めて初めて証明したとしてい
ます。

 グループは理研生命医科学研
究センター、群馬大学大学院医
学系研究科、東京工業大学、国
立感染症研究所寄生動物部で構
成されています。成果は4月22
日付の英科学誌「ネイチャーコ
ミュニケーションズ」に掲載さ
れました。打ち続けなければな
らないインスリン注射は患者さ
んにとって大きな負担で、社会
生活上の悩みの種にもなってい
ます。今回は基礎研究の途上の
成果で、臨床応用までの道のり
はまだ遠いとみるべきですが、
今後の着実な積み重ねに期待し
たいと思います。

1型糖尿病について解説してい

る動画です。

 

 

 

 

 



 盛夏の成果市場で成果を上げ
る。           笑













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2】 COPDと喘息合併例は3剤配合吸入薬で治療可能












 2018年に亡くなった落語家の
桂歌丸さんが患っていた慢性閉
塞性肺疾患(COPD)という病気
があります。呼吸機能が低下し、
せき、たん、息切れといった症
状が徐々に悪化、死に至ること
もある病気です。気管支を広げ
て呼吸を楽にする吸入タイプの
気管支拡張薬が治療の基本です
が、2種類の気管支拡張薬と炎
症を抑える薬の計3種類を一度
に吸入できる配合薬が2019年に
相次いで登場し、患者さんの症
状に合わせた治療が行いやすく
なりました。COPDの国内患者数
(40歳以上)は約530万人と
推定されています。主な発症原
因は、たばこの煙に含まれる有
害物質です。東京医科大学八王
子医療センター(東京都八王子
市)呼吸器内科の寺本信嗣教授
は「70歳以上の喫煙者または喫
煙経験がある人は、COPDの可能
性が極めて高い」と指摘います。

 しかし、治療を受けているの
は22万人にとどまっています。
寺本教授によると、患者さんの
呼吸機能は1年前と比べて差を
感じなくても、10年前、20年前
と比べれば大きく低下していま
す。だが長い経過の中で慣れて
しまい、病気だと気付かないの
だということです。

 気管支拡張薬の吸入など適切
な治療を行えば、呼吸機能の低
下を遅らせてCOPDと長く付き合
うことができます。もちろん禁
煙は不可欠です。「吸入薬は気
道に直接届き、副作用や全身へ
の作用が比較的少ない。また、
複数の合併症を抱え、多種類の
飲み薬を服用する高齢者でも負
担になりません」と寺本教授は
言っています。半面、使い方を
誤ると期待する効果が得られな
いため、「正しい吸入方法を身
に付けて、肺の隅々まで薬が届
くように吸い込むことが大切で
す」と説明しています。

 COPD患者さんでゼーゼーと呼
吸するなど喘息の症状があれば、
気管支拡張薬に、喘息治療の基
本で炎症を抑えるステロイド吸
入薬を併用する必要があります。
従来、気管支拡張薬やステロイ
ドのうち2種類を配合したCOPD
の吸入薬はありましたが、2019
年には2種類の気管支拡張薬と
ステロイドの3剤配合吸入薬が
相次いで発売されました(商品
名テリルジー、ビレーズトリ)。
複数の吸入器を使う必要がなく、
簡便に治療できます。

 寺本教授は「患者さんごとに
適した治療薬があります」と前
置きし、「COPDとぜんそくの合
併例や、小児期に喘息経験のあ
る人などが3剤配合薬の対象に
なると考えられます」と説明し
ています。その上で、「数年前
と同じペースで歩けないとか、
階段を上る際に息切れがする場
合は受診しましょう。COPDと診
断され、治療を受ければ、呼吸
が楽になるでしょう」と話して
います。

COPDの最新治療について解説

している動画です。

 

 

 

 



 水底の深さを推定する。笑













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編集後記



 免疫機能の異常でホルモンの
一種のインスリンができず、高
血糖になる「1型糖尿病」と呼
ばれる病気があることは、医療
関係者なら周知の事実ですが、
中高年に多い生活習慣病の2型
糖尿病は、肥満などによって、
インスリンが出ても十分に効か
ずに高血糖になるもので、1型
とは仕組みが全く異なるにも拘
わらず、混同されていることが
多いようです。腸管寄生虫の一
種に感染させたマウスでは、β
細胞を破壊する薬剤を与えても
1型糖尿病を発症しなかったと
いうことで、腸管寄生虫を投与
しようとすることには、反対で
す。そうではなく、腸管寄生虫
が出しているトレハロースが、
ある種の腸内細菌を増やして、
CD8Tレグを増やしているのなら
トレハロースを投与するべきだ
と考えます。「衛生仮説」は正
しいかも知れませんが、寄生虫
を無理やり感染させることは、
必要ないと考えられます。
 2018年に亡くなった落語家の
桂歌丸さんが患っていた慢性閉
塞性肺疾患(COPD)という病気
があり呼吸機能が低下し、せき、
たん、息切れといった症状が徐
々に悪化、死に至ることもある
病気です。この病気に対しては、
パプラールという抗酸化物質が
有効とされていますが、パプラ
ールを使って症状が改善するの
は、使った患者さんの半数以下
と言われています。この病気に
対しては、ベトナム人のバー・
ホワン先生が開発した、COPDの
治療薬が有効とされていて実際
ベトナムでは、医薬品と認めら
れています。私は、この治療薬
が、間質性肺炎にも有効と考え
間質性肺炎に使っていました。
ところが、新型コロナウイルス
の蔓延のおかげで、ベトナムの
政府がこの治療薬を禁輸にして
しまいました。治療薬と言って
も日本では、サプリメント扱い
なのですが、非常に効果がある
ということで残念でなりません。

 反芻動物が生贄にされ、半数
になった。        笑















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