診療マル秘裏話  Vol.904 令和3年4月7日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)進行子宮頸ガンに抗PD-1抗体単剤早期有効中止
2)COPD新規バイオマーカーとして,Fibulin-3を同定する












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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 








 
1】 進行子宮頸ガンに抗PD-1抗体単剤早期有効中止










 仏・Sanofiは3月15日、進行
子宮頸ガンを対象に抗PD-1抗体
cemiplimab単剤の有効性と安全
性を検討する非盲検の第3相ラ
ンダム化比較試験において、対
照である化学療法群と比べて全
生存期間(OS)の有意な延長が
認められ、独立データモニタリ
ング委員会の推奨に基づき早期
有効中止にしたと発表しました。

 同試験は再発性または転移性
のプラチナ製剤抵抗性子宮頸ガ
ン(扁平上皮ガン/腺ガン)を
対象に、cemiplimab単剤の有効
性と安全性を化学療法と比較し
ました。年齢の中央値は51歳で
した。全集団のOS中央値は化学
療法群(304例)の8.5カ月に対
してcemiplimab群(304例)は1
2.0 カ月と有意に延長しました
〔ハザード比(HR)0.69、95%
CI 0.56〜0.84,P<0.001〕。詳
細は今後の学会で発表される予
定です。

 米国において、cemiplimabは
2018年9月に進行皮膚扁平上皮
ガンに対して初めて承認され、
今年(2021年)2月に基底細胞
ガンおよび非小細胞肺ガンの一
次治療として相次いで承認され
ています。

子宮頸ガンについて解説してい

る動画です。

 

 

 

 


 水晶の結晶を部品に使うこと
を推奨する。       笑













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2】 COPD新規バイオマーカーとして,Fibulin-3を同定する 













 大阪大学は3月8日、慢性閉塞
性肺疾患(COPD)において、血
中を流れる細胞外小胞(エクソ
ソーム)の蛋白質網羅的解析に
より、肺の伸び縮みを担う弾性
線維の成分ファイブリン-3(
Fibulin-3)を新規バイオマー
カーとして同定したと発表しま
した。この研究は、同大大学院
医学系研究科大学院生の木庭太
郎氏(博士課程/医学部附属病
院 医員)と武田 吉人准教授(
呼吸器・免疫内科学)らの研究
グループによるものです。研究
成果は,「ERJ Open Research」
に掲載されています。

 たばこの煙を主とする有害物
質が原因で発症するCOPDは、世
界の死因第3位と推定され、国
内500 万人以上の患者さんが推
計されているものの、病院で治
療を受けている患者さんは22万
人(5%)程度です。診断には
呼吸機能検査(スパイロメトリ
ー)が必須とされていますが、
十分に実施されていないのが現
状です。治療法として、長時間
作用性の気管支拡張剤があるも
のの、未診断のまま放置される
ケースも多くあります。COPDは
肺炎や肺ガンの危険因子である
のみならず、新型コロナウイル
ス肺炎の重症化因子であること
も注目を浴びています。このよ
うな背景から、呼吸機能検査を
しなくても診断できる有用なバ
イオマーカーの開発が喫緊の課
題でした。

 血液(血清)は、最も簡単に
診断や病勢を測定できるサンプ
ルですが、アルブミンなど夾雑
物が大量に含まれるために未知
の分子を探索する網羅的解析に
は不利でした。最近、血中を流
れるエクソソームが、細胞や組
織間コミュニケーション手段と
して機能しており、ガンの早期
発見や治療への応用が注目され
ていました。とりわけ、脂質二
重膜で囲まれたメッセージカプ
セルであるエクソソームは、蛋
白質の網羅的解析(プロテオミ
クス)に有利な理想的サンプル
(リキッドバイオプシー)とみ
なされることから、研究グルー
プは血清エクソソームに着目し、
新規バイオマーカーの探索を試
みました。

 研究グループは、COPD患者お
よびCOPDマウスの血清エクソソ
ームの解析から、共通のバイオ
マーカー20種類を絞り込み、最
新の蛋白質網羅的解析(プロテ
オミクス)を駆使したアプロー
チにより、新規バイオマーカー
の同定に成功しました。 特に、
肺の弾性線維成分であるファイ
ブリン-3は、COPD患者さんで
増加するだけでなく、呼吸機能
低下やCTで検出される肺気腫と
相関することが分かりました。

 さらに、ファイブリン-3を
欠損させたマウスを作成し、解
析しました。その結果、欠損マ
ウスは、加齢とともにCOPDを自
然発症することから、ファイブ
リン-3がCOPD発症における鍵
分子であることが示唆されまし
た。

 今回の研究成果により、取り
残された21世紀の国民病COPDの
患者さんが、未診断のまま放置
される機会が減少し、COPD治療
薬により健康な生活を過ごすこ
とが可能となります。また、新
型コロナウイルス肺炎のリスク
とされるCOPDを早期に発見し、
COPD治療薬による恩恵を届ける
ことが可能となります。さらに、
発見された新規バイオマーカー
について研究グループは、「CO
PD病態形成と密接に関わるため、
新規治療薬開発につながること
も期待される」と述べています。

COPDの最新医療について解説

している動画です。

 

 

 

 



 警世の書により、世論が形成
される。         笑














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編集後記



 仏・Sanofiが3月15日、進行
子宮頸ガンを対象に抗PD-1抗体
cemiplimab単剤の有効性と安全
性を検討する非盲検の第3相ラ
ンダム化比較試験において、対
照である化学療法群と比べて全
生存期間(OS)の有意な延長が
認められ、独立データモニタリ
ング委員会の推奨に基づき早期
有効中止にしたと発表したのは、
喜ばしいことです。今回、免疫
チェックポイント阻害剤を単剤
で用いていることから化学療法
群に対する優位性は、明らかと
言えましょう。 米国において、
cemiplimabは2018年9月に進行
皮膚扁平上皮ガンに対して初め
て承認され、今年(2021年)2
月に基底細胞ガンおよび非小細
胞肺ガンの一次治療として相次
いで承認されているということ
ですから、薬剤自体の出来が優
れているということでしょう。
 大阪大学が3月8日、慢性閉塞
性肺疾患(COPD)において、血
中を流れる細胞外小胞(エクソ
ソーム)の蛋白質網羅的解析に
より、肺の伸び縮みを担う弾性
線維の成分ファイブリン-3(
Fibulin-3)を新規バイオマー
カーとして同定したと発表した
のは、喜ばしいことです。スパ
イロメーターでしか、確定診断
がつけられなかったものをリキ
ッドバイオプシーで診断できる
ようになったことは、喜ばしい
ことですが、COPDの患者さんの
治療が難しいのは、呼吸困難が
あっても、放置する場合が多く
放置している人が、感染症にか
かって急性増悪するということ
を繰り返すという点です。早期
に発見しても、患者さんの病識
がないことが多いのが残念な点
と言えましょう。未診断のまま
放置される機会が減少し、COPD
治療薬により健康な生活を過ご
すことが可能というのは言い過
ぎである気がします。

 法治国家で貧困飢餓が放置さ
れる。          笑















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