診療マル秘裏話  Vol.937 令和3年11月24日作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次
 
1)初期段階転移リンパ節灌流欠損形成メカニズムを解明
2)武漢熱第6波病床確保等強化の取組み取り纏め














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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 初期段階転移リンパ節灌流欠損形成メカニズムを解明















 東北大学は10月28日、リンパ
節の大きさが約10mmのリンパ節
転移マウスモデルを用いて、腫
大していない転移初期段階にお
けるリンパ節の灌流欠損の形成
メカニズムを初めて明らかにし
たと発表しました。この研究は、
同大大学院医工学研究科腫瘍医
工学分野の小玉哲也教授らの研
究グループによるものです。研
究成果は、「Clinical & Exper
imental Metastasis」(電子版)
に掲載されています。

 リンパ節は、ガンの転移の危
険性が最も高い器官です。リン
パ節転移の有無は、ガンの病期
分類、治療計画、再発や死亡率
のリスク増加に深く関わってい
ます。これまでに小玉教授らの
研究グループは、リンパ管から
リンパ節に到達したガン細胞が
リンパ節の被膜と実質リンパ組
織との間の隙間(辺縁洞)に侵
入し、リンパ節表面を走る静脈
に浸潤することで、転移初期段
階のリンパ節から血行性に遠隔
転移することを発見しています。
したがって、リンパ節転移の早
期診断と早期治療は、遠隔転移
を予防する上でもきわめて重要
です。

 造影CT、MRI,超音波画像など
転移リンパ節の画像診断では、
リンパ節のサイズ、丸い形態、
灌流欠損などが重要な所見であ
り、中でも灌流欠損は、腫大し
ていない転移初期段階のリンパ
節において最も信頼性の高い所
見です。これまで、なぜ灌流欠
損が生じるのかは不明であり、
新生血管の血行動態の異常、リ
ンパ節内の腫瘍増大にともなう
実質内血管の圧迫による血流減
少などが仮説として考えられて
きました。

 今回、研究グループは、リン
パ節サイズがヒトとほぼ同じ大
きさ(約10mm)のマウスを用い、
ガン細胞をリンパ節に直接注入
することで、リンパ管を介して
離れたリンパ節に転移を誘導し、
リンパ節転移の始まりの様子を
造影高周波超音波画像(最大空
間分解能:30µm)と造影マイク
ロCT画像(最大空間分解能:30
µm)を用いて詳細に調べました。

 サイズの増大を認めない転移
初期段階のリンパ節では、腫瘍
塊内には微小血管がほとんど存
在せず、灌流欠損として映像化
されました。また、リンパ節全
体としては,直径50μm以下の血
管の数は減少し,直径50μm以上
の血管の数は増加する傾向がみ
られました。さらに腫瘍の血管
新生や酸素分圧(pO2) に変化
はみられませんでした。以上の
結果から、灌流欠損は、血管が
豊富な器官であるリンパ節に特
異的な腫瘍形成形態であること
が分かりました。

 今回の知見により、「なぜ転
移リンパ節に対して全身化学療
法の治療効果が低いのか」に対
する理由が示されました。小玉
教授らは、リンパ節に直接薬剤
を投与するリンパ行性薬剤送達
法の開発を進めており、灌流欠
損をともなう転移初期段階のリ
ンパ節の治療ならびに遠隔転移
の制御を目指しています。

 「研究結果から、臨床画像検
査において診断の難しい、サイ
ズが大きくなる前の転移初期段
階のリンパ節の診断指標として、
灌流欠損が一層注視され、リン
パ節転移診断精度や治療成績の
向上が期待される」と、研究グ
ループは述べています。

ガンのリンパ節転移について解

説している動画です。

 

 

 

 



 注視することを中止する。笑














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2】 武漢熱第6波病床確保等強化の取組み取り纏め















 政府は、今冬に懸念される武
漢熱感染の「第6波」に備え、
病床確保などを強化する「取り
組みの全体像」を11月中に取
りまとめます。行動制限の緩和
では、ワクチン接種証明の電子
化などを進め、社会経済活動の
再開をさらに本格化させる方針
です。

 全体像では、今夏の「第5波」
に比べ、感染力が2倍の変異ウ
イルスが流行しても対応できる
よう、入院患者さんの受け入れ
態勢を今夏より2割増やすこと
が柱となります。

 「第5波」のピーク時には感
染者が急増して病床が足りなく
なり、入院できずに自宅などで
療養せざるを得なくなる人が続
出しました。このため、すぐに
受け入れ可能な「即応病床」と
申告されても使用されなかった
「幽霊病床」の実態を把握し、
病床使用率を8割以上に引き上
げることを目指します。国が所
管する病院に対し、専用病床の
確保も要求します。

 自宅や宿泊施設で療養する人
は保健所だけでなく、地域医療
機関も積極的に活用し、陽性が
判明した当日か翌日に連絡をと
り、健康観察や診察を受けられ
る態勢を整えます。感染力が3
倍になるなど、事態がさらに深
刻化した場合、一般医療の制限
なども求めます。

 ワクチンについては、3回目
の接種の年内開始に向け、詳し
い日程を全体像で明らかにしま
す。飲食やイベント、移動に関
する行動制限の緩和を進めるた
め、電子的なワクチン接種証明
の導入や無料検査の拡大につい
て、具体的な工程も提示する見
通しです。

第6波の対策について解説して

いる動画です。

 

 

 



 校庭を一周する間の工程を考
える。          笑














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編集後記


 東北大学が10月28日、リンパ
節の大きさが約10mmのリンパ節
転移マウスモデルを用いて、腫
大していない転移初期段階にお
けるリンパ節の灌流欠損の形成
メカニズムを初めて明らかにし
たと発表したのは、素晴らしい
業績です。リンパ節転移の早期
診断と早期治療は、遠隔転移を
予防する上でもきわめて重要と
言えましょう。それ故にこの様
なメカニズムが解明されたのは、
非常に有意義なことだと考えて
います。研究結果から、臨床画
像検査において診断の難しい、
サイズが大きくなる前の転移初
期段階のリンパ節の診断指標と
して、灌流欠損が一層注視され、
リンパ節転移診断精度や治療成
績の向上につながることを期待
したいと思います。
 政府が、今冬に懸念される武
漢熱感染の「第6波」に備え、
病床確保などを強化する「取り
組みの全体像」を11月中に取
りまとめるとしたのは、素晴ら
しい取り組みだと思います。第
6波が来るか来ないか専門家の
間でも意見が分かれているよう
ですが、来ると考えて備えてお
けば、「備えあれば患いなし」
を地で行くやり方と言えましょ
う。第5波のデルタ変異株の凄
まじい感染・重症化の事態に鑑
みて、早期の対策を立てている
ということでしょう。最悪の事
態を予想して、その事態でも対
処できると言うようにしておか
なければ、国民の納得が得られ
ないと考えられます。

 予想が外れるのを考えるのは、
止そう。         笑















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