診療マル秘裏話  Vol.974 令和4年8月10作成

作者 医療法人社団 永徳会 藤田 亨




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目次

1)前立腺ガンADT治療で、腸内細菌叢多様性が欠失
2)塩野義製薬開発中ワクチンの5~11歳対象の治験開始











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 医療界のトピックスを紹介するこのメールマガジンは
1週間に1回の割合で発行しています。もっと回数を増や
して欲しいという要望もあるのですが、私の能力のなさ
から1週間に1回が限度となっています。これからも当た
り前の医療をしながら、なおかつ貪欲に、新しい知識を
吸収し読者の皆様に提供してゆきたいと思っております。
不撓不屈の精神で取り組む所存ですのでどうかお許し下
さい。

 









 
1】 前立腺ガンADT治療で、腸内細菌叢多様性が欠失










 順天堂大学は7月15日、前立
腺ガンの内分泌治療(ADT) に
より男性ホルモンのテストステ
ロン濃度を低下させると、腸内
細菌叢に変化が生じて、その多
様性が損なわれることを明らか
にしたと発表しました。この研
究は、同大大学院医学研究科泌
尿器外科学の呉彰眞助手、堀江
重郎教授、慶應義塾大学先端生
命科学研究所の福田真嗣特任教
授(研究当時。現:順天堂大学
大学院医学研究科細菌叢再生学
講座・特任教授)らの共同研究
グループによるものです。研究
成果は、「Prostate Cancer an
d Prostatic Diseases」のオン
ライン版に掲載されています。

前立腺ガンは男性が罹患する
ガンで最も多く、日本国内でも
年間8万人以上が罹患します。
転移ガンや根治治療をできない
場合に男性ホルモン(テストス
テロン)を遮断する内分泌治療
が行われますが、内分泌治療で
は、しばしばその副作用として
肥満やフレイル、骨粗鬆症、う
つ、認知症などを発症すること
が課題になっています。

 一方、腸内細菌叢の多様性や
腸内細菌が産生する代謝物質が
健康に大きく影響することが、
近年の研究で明らかになりつつ
あり、腸内細菌叢の多様性の低
下が、フレイル、骨粗鬆症、う
つ、認知症などの疾患リスクに
もなり得ることが示唆されてい
ます。そこで研究グループは今
回、前立腺ガンの内分泌治療に
よるテストステロン濃度の低下
と腸内細菌叢との関連性につい
て、調査を行いました。

 研究では、内分泌治療を行っ
た日本人の前立腺ガン患者さん
23人を対象に、血中テストステ
ロン濃度と腸内細菌叢やその代
謝物質との関連について調べま
した。具体的には、対象者の治
療開始前2週間~治療開始後24
週間の間で、定期的に便と血液
をサンプリングし、次世代型シ
ークエンサーを用いて細菌の16
S rRNA遺伝子をもとにした細菌
叢解析と質量分析器を用いた便
中代謝物質解析を行い、治療の
経過に伴うそれらの変化を調べ
ました。

 その結果、腸内細菌叢の多様
性解析では、細菌叢に含まれる
菌種がどのくらい豊富であるか
の指標となる「α多様性」と、
細菌叢に含まれる菌種同士が系
統的にどのくらい似ているかの
指標となる「β多様性」が、治
療に伴って有意に低下している
ことが明らかになりました。

 これらのことから、内分泌治
療による血中テストステロン濃
度の低下によって患者さんの腸
内細菌叢の多様性が有意に低下
する関連性が明らかになりまし
た。このことは、腸内細菌叢の
変化が内分泌治療の副作用の発
症に関与している可能性を示唆
しています。

 今回の研究により、前立腺ガ
ン患者さんへの内分泌治療によ
る血中テストステロン濃度の低
下によって患者さんの腸内細菌
叢の多様性が損なわれることが
明らかになり、肥満やフレイル、
骨粗鬆症、うつ、認知症などの
副作用の発症が腸内細菌叢の多
様性の低下と関連している可能
性が示唆されました。

 「前立腺ガン患者への内分泌
治療時に腸内細菌叢の多様性低
下を抑制するような食事療法な
どを併用することで、前立腺ガ
ン患者の内分泌治療時の副作用
を低減できることが期待される」
と、研究グループは述べていま
す。

 前立腺ガンの内分泌療法の副

作用対策について解説している

動画です。

 

 

 



 副作用の低減を提言する。笑















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2】 塩野義製薬開発中ワクチンの5~11歳対象の治験開始














 塩野義製薬は7月19日、開発
中の武漢熱ワクチンについて、
5~11歳を対象とした臨床試験
(治験)を開始したと発表しま
した。

 治験では48人を二つのグルー
プに分け、ワクチンを2回接種
しました。副反応の度合いなど
を考慮し接種用量を決定します。
その後治験の規模を拡大し、感
染を防ぐ「中和抗体」がどれだ
け増えるかなど、有効性や安全
性を検証します。

 塩野義は5月、12~19歳を対
象とした治験を始めました。5
~11歳の小児接種には米ファイ
ザー製のみが使用されており、
塩野義は「小児用ワクチンにも
選択肢を増やす」(広報)とし
ています。 

 塩野義のワクチンの臨床試験

について解説している動画です。

 

 

 

 



 後方の広報部員に、連絡した。















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編集後記



 順天堂大学が7月15日、前立
腺ガンの内分泌治療(ADT) に
より男性ホルモンのテストステ
ロン濃度を低下させると、腸内
細菌叢に変化が生じて、その多
様性が損なわれることを明らか
にしたと発表したのは、素晴ら
しい業績です。腸内細菌叢の多
様性や腸内細菌が産生する代謝
物質が健康に大きく影響するこ
とが、近年の研究で明らかにな
りつつあり、腸内細菌叢の多様
性の低下が、フレイル、骨粗鬆
症、うつ、認知症などの疾患リ
スクにもなり得ることが示唆さ
れているので、内分泌治療の副
作用が腸内細菌叢の多様性低下
により引き起こされる可能性が
高いと考えられます。
 塩野義製薬が7月19日、開発
中の武漢熱ワクチンについて、
5~11歳を対象とした臨床試験
(治験)を開始したと発表した
のは、喜ばしいことです、現在
の武漢熱ワクチンは12歳以上が
対象とされていて、5~11歳の
お子達については、ワクチン接
種は可能ながら、非常に接種し
にくくなっているのが現状だと
思います。また年齢が下がれば
下がるほどワクチン接種を嫌が
る傾向もあり、なかなか接種自
体、親御さんの許可がないとで
きません。将来の日本を背負っ
て立つ子ども達こそワクチン接
種が必要であることは、明らか
であるものの、実態が伴わない
事態になっているのが残念でな
りません。

 会誌で開始の合図を公表する。
















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